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長崎県美術館

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天動説七 ( 1983(昭和58)年)

Ptolemaic Theory Ⅶ 出品履歴

菊畑茂久馬 Mokuma KIKUHATA
作品解説
  1960年代半ばより約20年にわたり本格的な新作発表を行わなかった菊畑が、その沈黙を破り、満を持して発表した大型タブローのシリーズ「天動説」の第7番。全16点で構成される菊畑の代表作であるこのシリーズは、前半、後半それぞれ8点ずつに大別できる。本作品を含む前半の8点は1983年に東京画廊で開催された個展において発表された。画廊スペースの都合上、7、8番の2点のみF150号とされ、他はすべてF200号である。個展終了後に制作された後半の8点(すべてF200号)は、1985年に福岡県立美術館において開催された「現代美術の展望 ’85 FUKUOKA」展において前半の作品とともに発表されるも、その後すべて大幅な改作を受けている。なお、前半の作品には油絵具に蜜蝋を溶いた絵具が使用されているが、後半は油絵具のみの使用である。
 シリーズ全体を通し、カンヴァスには木の棒が縫い込まれ、画面の平面性が脅かされている。また、それを押さえ込み平面性を奪われまいとでもするかのように、無彩色の絵具による重厚なマチエールが画面全体を覆い、その両者の力の均衡により画面が成り立っている。「絵画と物体の相克」と言われるこのような画面の在り方には、実体の無いイメージに支配されずに物体としての絵画を如何に立ち上げることができるかという、以後も継続される菊畑の中心的なモティーフを見ることができる。  
作品詳細
素材・技法 油絵具、蜜蠟、木、布・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil, beeswax, wood, cloth on canvas
サイズ 227×162.5cm
コレクション名  
備考 額寸:236.0x171.0x15.0cm
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