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人間の土地 「緑無き島」(軍艦島) /軍艦島全景 ( 1954-57(昭和29-32)年)
Human Land: Island without Green ‘Gunkanjima’, View of Gunkanjima 出品履歴>
奈良原一高 Ikko NARAHARA
作品解説 | |
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奈良原は大学院在学中の1956年、銀座の松島ギャラリーにおいて初の個展「人間の土地 奈良原一高写真展」を開催した。出品点数は102点。「第1部 火の山の麓」、「第2部 緑なき島」の二部で構成されたこの展覧会は、美術史を学ぶ一学生から一人の写真家へと奈良原を一躍変貌させた。 大学院に入学した春に自らのルーツである九州周遊の旅を思い立った奈良原は、その際に訪れた桜島の麓の黒神村と長崎の沖合いに浮ぶ端島(通称「軍艦島」)における人々の生活から鮮烈な印象を受けた。方や溶岩に埋もれ一日一本の連絡船を除き外界から隔絶された村、方や石炭採掘のためにつくられた緑も墓地も無い完全に人工の島。絶対的な力として立ちはだかる自然に支配された不毛な土地と資本主義の社会機構そのものとして人間を囲い込む土地。閉ざされたこの二つの土地から逃れることなく生活する人々の姿に限界状況を生き続ける人間の生を見た奈良原は、「思い立った者が行わなければならない」という自らの内なる声に導かれ、休みごとにカメラを手にし両島を取材した。後に「これは2つの島を舞台としたひとつの物語である」と作家自身が記したように、両極にある2つの土地を撮ることを通して人間の普遍的な生を捉えようとした奈良原の試みは、大きな反響を呼ぶとともに彼の写真家としての運命を決定付けた。 発表当時のプリントは個人所蔵の2点を除きすべて失われている。当館所蔵の作品は、展覧会後の1957年に撮影された再取材のものも合わせ、マスタープリントとして主に1986年から翌年にかけて奈良原自身の手によって焼かれ作家の手元に保管されていたものである。 |
作品詳細 | |
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素材・技法 | ゼラチンシルバープリント・印画紙 |
素材・技法(英文) | Gelatin silver print on print paper |
サイズ | 33×21.5cm |
コレクション名 | |
備考 |
1986~87年(著作者自身によるプリント)/印画紙サイズ:11×14インチ/HL-01 |
関連収蔵資料 | |
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図書 | |
資料 |