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長崎県美術館

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画家プラディーリャの肖像 (?) ( 1885年)

Portrait of the Painter Pradilla Ortiz (?) 出品履歴

ホアキン・ソローリャ Joaquín SOROLLA Y BASTIDA
作品解説
  この作品は、カンヴァス裏の書き込みによると、1885年にローマでソローリャが描いた、画家フランシスコ・デ・プラディーリャ(1848-1921年)の肖像である。当時21歳であったソローリャは、この年の1月から奨学金を得てローマに滞在中であり、一回り以上先輩にあたるプラディーリャは、すでに歴史画の分野で名を成し、ローマのスペイン人画家コロニーの中心的存在として活躍していた。二人はローマで私的な師弟関係を結び、親しく交わっていたことが知られている。
この作品の様式は一見してアカデミックなもので、ソローリャが後年確立する躍動的な筆致や、まばゆい陽光に満ちた色彩とは異質である。抑制された色彩を使いながら像主の顔の表情などを精緻に描き出しているところに、若き画学生の非凡な才能が見て取れる。
しかし、プラディーリャが画家であるにもかかわらず書物を手に表されている点は、カンヴァス裏に書かれた像主の同定に疑問を投げかける。本作の男を2年後の1887年に制作されたプラディーリャの自画像(個人蔵、マドリード)と比較してみると、面長の顔、凹字形の額、そして極めてよく似た細いフレームの眼鏡などが共通する。しかし、長崎の作品では口髭と顎鬚もきれいに整えられ、かなり年若く見えるのも事実である。像主をプラディーリャと断定できるかどうかは、更なる精査が必要であろう。
 
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 97×79cm
コレクション名 須磨コレクション
備考 須磨No.921(52)

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