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フランシスコ・カレテロ ( 1961-87年)

Francisco Carretero 出品履歴

アントニオ・ロペス Antonio LÓPEZ GARCÍA
作品解説
© VEGAP, Madrid & JASPAR, Tokyo, 2023 G3258 1961年から描き始め、他作品の制作と並行しながら少しずつ手を加えていき、実に27年もの歳月を費やして完成させた作品である。とはいうものの1963年の段階でほぼ出来上がっていたため、結果的には1960年代前半までのロペス作品の特徴である重厚なマティエールが基調となっている。ロペスはこのマティエールを作るために、執拗なほどの重ね塗りを行っており、それは特に皮膚表現において顕著である。また熱を加えたのか粒状の気泡のようなものを確認できるなど、様々な方法を用いてマティエール作りに専念していたことが分かる。こうした物質的な絵画への志向は、当時新しい芸術運動としてスペイン美術界を席巻していたアンフォルメルの動向と決して無関係ではない。
モデルとなったフランシスコ・カレテロ(1879-1962)はロペスにとって母方の叔父にあたる。ロペスの故郷でもあるトメリョソの市長を長年にわたって務めた政治家であったが、一方で表現主義風の作品を描く画家でもあった。いわゆる町の名士であり、現在音楽学校として再利用されている旧邸宅は、彼の名を冠したフランシスコ・カレテロ通りに面している。
ロペスはこの叔父の特に頭の形に興味を抱きモデルを依頼したのだが、制作時期が秋になり寒くなってきたので帽子をかぶってもらったと語っている。その後、頭部を描いた段階でカレテロが死去したため、胴体部分は他のモデルを使って制作した。
「私は常に現在を反映させようとしている。おそらく過去の記憶が含まれている、そんな現在を」と語るように、ロペスの作品は一瞬を切り取った写真的なリアリズムとは一線を画す。描かれたフランシスコ・カレテロもまた時間を超越した永遠性の中に存在している。
 
作品詳細
素材・技法 油彩・板
素材・技法(英文) Oil on panel
サイズ 91.4×78.2cm
コレクション名  
備考  
関連収蔵資料
図書 アントニオ・ロペス展
資料

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