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長崎県美術館

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自画像 ( 1960(昭和35)年)

Self-portrait 出品履歴

鴨居玲 Rei KAMOI
作品解説
  1959年(昭和34年)11月に初めての渡欧を果たした鴨居は、61年秋に帰国するまでの約2年間をパリで過ごす。本作品はそのパリ滞在期に描かれた自画像である。この時期の作品としては、前後の年に描いたものは知られているが、本作品と同年に描かれたものは、他に確認されていない。この時期、鴨居はスランプに陥っていたのか、作画活動をほとんど行なっていない。それは、パリ時代に親交のあった野見山暁治の「仕事の面でひどい怠け者で、全然描かなかった」という言葉からも明らかである。本作品の裏面に記された母親への言葉からも、ままならない作画活動に苛立ちを隠せない当時の鴨居の苦悩をうかがい知ることが出来よう。
その苦悩が反映されたかのように、本作品における自画像はどこか暗い影を帯びている。後ろを振り返った視線はやや虚ろで、自分に対する自信のなさが滲み出ているようである。しかし翻って言うと、それは鴨居の卓越した内面描写が表されている証拠であり、その後の独自の画風を確立する上で、パリ時代は画家にとって重要な準備期間であったとも考えられよう。

裏書
「(前半判読不能)その内にきっと頑張りますから。これはパリーで描いた自画像です。
                         母上殿       鴨居玲」
※作家自身により全面塗りつぶしてあるが、一部判読可能

 
作品詳細
素材・技法 油彩・ボード
素材・技法(英文) Oil on board
サイズ 40×21cm
コレクション名  
備考  
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