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長崎県美術館

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洗礼者聖ヨハネ ( 1430年頃)

Saint John the Baptist 出品履歴

トラルバの画家 Master of Torralba
作品解説
  祭司ザカリアとエリザベツの息子である洗礼者聖ヨハネは、荒野で禁欲的生活を送るうちに神の言葉を受け、イエスに洗礼を授けたことからその名で知られる人物である。痩せた体に長い髪と髭、らくだの毛をまとう姿で表されるのは、岩の上に立つのと合わせ、ヨハネが荒野の苦行者であることを示す。右手が指す左手に、封印の書物に座る小羊が描かれているのは、ヨハネが「見よ、神の小羊だ」(ヨハネ福音書第1章)と言い、イエスを見出したことを表している。白旗の翻る十字架は、磔刑の死を克服したイエスの勝利のシンボルにほかならず、書物は、犠牲の小羊が封印を解く黙示録の書物(巻物)である。
この板絵は元来、洗礼者聖ヨハネに捧げられた大型の祭壇衝立の中央パネルであったと考えられる。その作者は、アラゴン地方トラルバ・デ・リボータの聖堂にある聖アンデレの祭壇衝立板絵の作者と同一と考えられ、その作品の所在地をとって通称「トラルバの画家」と呼びならわされる。大きな頭部や手、眉間の寄った目つきや、モザイクのように敷き詰められた地面の表現、そして光輪のパンチマークのかたちなどが、この画家のしるしである。制作年代は1430年頃と考えられるが、流麗な国際ゴシック様式がスペイン各地に浸透していた時代にあって、武骨だが力強く荘重な雰囲気が特徴的と言えよう。
 
作品詳細
素材・技法 テンペラ・板
素材・技法(英文) Tempera on panel
サイズ 121.5×61.5cm
コレクション名 須磨コレクション
備考 須磨No.1759
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図書
資料

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