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作家詳細
牧野宗則 / マキノ ムネノリ (1940年~)
Munenori MAKINO
作家解説
浮世絵版画という伝統木版画の技術を現代に再生させ、鮮やかな色彩と大胆な構図で日本の風景を描き続ける版画家。ただし、浮世絵版画が「絵師・彫師・摺師」という三者の分業によって制作されるのに対し、牧野は三つの工程を一人でこなす。彼がこうした制作方法を選択したのは、全工程を自ら手がけることで、かえって表現の可能性が広がると考えたためだという。牧野の版画は、伝統木版画の技術と、明治以降の創作版画運動が旨とした「自画・自刻・自摺」の理念の融合によって支えられているといえる。少年時代に北斎や広重の浮世絵版画に出会って魅了された牧野は、高校生の時から東京や京都の伝統木版画の職人たちのもとに出入りし、彫り・摺りの技術を伝授された。その後、数十年に渡る研鑽によって高度なテクニックを習得し、伝統木版画の「板ぼかし」「刷毛ぼかし」「空摺り」「きめだし」「雲母(きら)摺り」といった技法を自在に組み合わせて、独特のきらびやかな色彩と風合いを持つ風景版画を創出した。近年は、然るべき部数を摺り終えた版木を再利用した作品(牧野はこれを「ブロックス・アート」と呼ぶ)を手がけるなど、常に新しい表現を模索している。
作品一覧
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有明海シリーズ
(1984-1999)
Ariake Sea Series 牧野宗則 MAKINO Munenori 素材・技法:木版・紙 セット点数:20点 |