三川内焼 薄手白磁の系譜

展覧会名
三川内焼 薄手白磁の系譜
会期
2021年2月26日(金)~5月9日(日)
会場
常設展示室4室
主催者
長崎県美術館
概説
光を透かすほどに薄い「薄手白磁」をつくり出す技術は、三川内焼の伝統の一つです。そうしたやきものは、卵の殻のように薄く軽いという意味で「卵殻手」とも呼ばれ、江戸時代末期にはオランダとの貿易で人気を博しました。本展は、昭和期の三川内で活躍した中里陽山(末太郎)の薄手白磁の作品に焦点を当てます。大胆な「染付」を得意としたことで知られる陽山ですが、戦前は皇室向けに、終戦直後は米国への輸出向けに、1970年代以降は長崎県の無形文化財技術保持者として、じつは一貫して薄手白磁を手がけていました。本展では陽山の作品と、それ以前の薄手白磁の作品とを並べて展示します。「黄金時代」と呼ばれる古い時代の作例にも劣らない、磁器による造形の限界に挑むかのように薄く軽やかな器の数々をお楽しみください。また、本展が陽山のみならず、彼を含む三川内焼の担い手たちが今に残そうとした伝統美の粋に、触れていただく機会となれば幸いです。

画像|中里陽山(末太郎)《染付菊萩文蓋》1926年頃

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