生誕100年 山下清展-百年目の大回想
企画展
- 会期
- 2026年2月14日(土)~4月5日(日)
- 休館日
- 2月24日(火)、3月9日(月) ※3月23日(月)は臨時開館
- 会場
- 企画展示室
- 概要
- 2022年に生誕100年を迎えた放浪の天才画家・山下清 (1922-1971)の大回顧展。素朴で懐かしい日本の原風景を描いた山下の作品は、長い年月を経てもなお観る者の心をとらえて離しません。本展は《桜島》など貼絵の代表的な作品をはじめ、子供時代の鉛筆画や後年の油彩、ペン画、陶磁器、遺品などが一堂にそろいます。世代を超えて愛される山下清の、まさに決定版ともいえる展覧会です。
放浪の天才画家・山下清 生誕100年を記念した大回顧展
長崎会場限定作品を含む約190点でたどる、創作の全貌
「放浪の天才画家」と称された画家・山下清(1922-1971)。山下は驚異的な記憶力によって、旅先で目にした風景を細部に至るまで思い出すことができました。細かくちぎった色紙を貼り重ねていく貼絵の技法を駆使して生み出される彼独自の風景画は、今なお多くの人々から愛されつづけています。
2022年に生誕100年を迎えたことを記念して開催する本展では、《桜島》など山下の代表的な貼絵作品はもちろん、幼少期の鉛筆画から遺作となった「東海道五十三次」シリーズの一部に至るまで、油彩、水彩画、ペン画、陶磁器の絵付けなど、多彩な作品の数々を紹介します。独特の色彩感覚、温かみのある作風といった特色は共通しているものの、多様な表現は山下芸術の新たな側面に気づかせてくれるはずです。加えて蔵書やリュックサック、浴衣といった関連資料も展示し、山下清の生涯と芸術をさまざまな角度から振り返ります。本展は約190点の作品・資料で構成される、まさしく山下清展の「決定版」というべき大回顧展です。
2022年から全国を巡回してきた本展ですが、ここ長崎が最終会場となります。ぜひご来場ください。
展示構成
第1章 山下清の誕生—昆虫そして絵との出合い
1922(大正11)年、浅草に生まれた大橋清。彼こそ、のちに多くの人々に愛される画家となる「山下清」です。大病によって後遺症を抱えることとなった清の幼少期は孤独で、彼の楽しみは虫捕りや絵を描くことでした。そして1934(昭和9)年に入園した養護施設「八幡学園」における「ちぎり絵」との出合いが、清の画家としての才覚を花開かせてゆきます。

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025
第2章 学園生活と放浪への旅立ち
学園で出合った「ちぎり絵」をベースにテクニックを進化させ、独自の「貼絵」の手法を確立した清でしたが、18歳を迎えた1940(昭和15)年、突如として学園から姿を消しました。以降清は、日本各地を思うままに巡る「放浪」の旅を10年以上にわたって繰り返します。清はときおり家や学園に戻り、驚異的な記憶力をもって、旅先で目にした風景を貼絵として描き出しました。この放浪の日々のなかで、《桜島》や《長岡の花火》といった名作が生み出されています。

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025
第3章 画家・山下清のはじまり―多彩な芸術への試み
1956(昭和31)年、「東京の大丸」(現:大丸松坂屋百貨店)で清にとってはじめての大規模な展覧会が開催されました。本展は26日間で80万人が来場するなど大盛況をみせ、その後も全国各地で次々と個展が開かれるなど、日本列島は「山下清ブーム」に沸きます。こうしたなか、画家としての意識を高めてゆく清は、油性マジックペンを用いたペン画や油彩など、代名詞である貼絵のみならずさまざま技法に取り組み、創作の幅を広げてゆきます。

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025
第4章 ヨーロッパにて―清がみた風景
1961(昭和36)年、清は自身にとってはじめてのヨーロッパを中心とした海外諸国をめぐる旅に出かけました。約40日間におよぶ旅のなかで、清は20点余りのスケッチを描き上げており、これらは帰国後、貼絵やペン画、水彩画として結実していきます。この時期に制作された作品では、従来と比較して、より実景にせまる遠近感をもつ構図やきわめて細密な貼絵による色彩表現が確認でき、清の技術の到達点が示されています。

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025
第5章 円熟期の創作活動
1950年代半ば以降、各地で開催される個展にあわせて日本全国を訪れる清は、その土地の窯元を訪れ、陶磁器の絵付けを行いました。のびやかな造形と色彩による陶磁器の絵付けはペン画とともに、晩年の清が中心的に取り組んだものです。
1965(昭和40)年、「東海道五十三次」シリーズを構想した清はおよそ4年をかけて取材を重ね、その成果として生み出された55点からなるペン画による「東海道五十三次」シリーズが清の遺作となりました。本展では、これらペン画をもとに制作された版画作品を通して、最晩年の創作にせまります。

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025
特別出品
株式会社十八親和銀行が所蔵する《長崎の風景》および《長崎の景色》を長崎会場のみ特別出品します。1963(昭和38)年に制作されたこの2点は、清の熟達したテクニックを味わうことのできる、晩年の代表作に数えられる作品です。また本展出品作である《グラバー邸》や《お蝶夫人屋敷》とあわせて鑑賞することで、長崎ゆかりのイメージを通して、山下清芸術の展開をお楽しみいただけます。

©Kiyoshi Yamashita 2025

©Kiyoshi Yamashita 2025
関連企画
講演会「家族が語る山下清」 ※当日受付
| 日時 | 2026年2月14日(土)14:00~(13:30開場) |
| 講師 | 山下浩(山下清作品管理事務所代表、山下清の甥) |
| 会場 | ホール |
| 定員 | 100名(先着順) |
| 参加費 | 無料(要本展観覧券) |
ヒロスケさんと山下清を巡るツアー ※事前申込制・少雨決行
ガイド役として長崎の町歩きに詳しいヒロスケさんをお迎えし、担当学芸員とともに、山下清の作品をテーマに旧グラバー住宅から長崎県美術館までお話を聞きながら歩くツアーです。美術館到着後は展示室にて、学芸員によるギャラリートークをお楽しみください。
| 日時 | 2026年3月 7日(土)①14:00~16:30 2026年3月15日(日)②10:00~12:30 ③14:00~16:30 |
| ガイド | 山口広助(長崎の歴史風俗研究家) |
| 定員 | 各回20名(抽選制) |
| 参加費 | 無料(本展観覧料およびグラバー園入園料は参加者負担) |
| 申込方法 | こちらよりお申込みください。 |
| 申込締切 | 2026年2月1日(日) ※抽選結果は2026年2月8日(日)までにメールにてお知らせいたします。 |
障がいのある方のためのゆったり鑑賞アワー ※事前申込制
「美術館に行きたいけど、たくさん人がいるところはちょっと行きづらい…。」そんなご家族を対象に、長崎県美術館の展覧会(企画展・コレクション展)へご招待します。
開館前の展示室で、ご家族でゆっくりと作品鑑賞を楽しんでいただけます。
朝の美術館で、家族でゆったり、一人でじっくり、おだやかな時間を過ごしてみませんか?
| 日時 | 2026年2月28日(土)9:00~10:00 |
| 対象 | 障がいのある方とその介護者・家族 |
| 定員 | 30名(抽選制) |
| 参加費 | 無料 |
| 申込方法 | こちらよりお申込みください。 |
| 申込締切 | 2026年1月25日(日) ※抽選結果は2026年1月26日(月)中にメールにてお知らせいたします。 |
| 協賛 | 株式会社西海建設 |
基本情報
観覧料
| 一般 | 1,500(1,300)円 |
| 中高生 | 1,000(800)円 |
※小学生以下無料
※( )内は前売りおよび15名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および介護者1名は5割減額
※会期中に限り本展観覧券でコレクション展にも入場できます。
※前売券販売期間:2025年12月25日(木)~2026年2月13日(金)
前売券取扱い店
チケットぴあ(Pコード687-372)
ローソンチケット(Lコード84541)
セブンチケット(セブン-イレブン)
CNプレイガイド(ファミリーマート)
イープラス(eplus.jp)
好文堂書店
紀伊國屋書店 長崎店
メトロ書店 長崎本店
くさの書店チトセピア店
長崎県美術館
主催等
| 主催 | 長崎県美術館、KTNテレビ長崎 |
| 協賛 | 株式会社十八親和銀行、株式会社西海建設 |
| 後援 | 長崎県、長崎市、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会、長崎新聞社、西日本新聞社、毎日新聞社、読売新聞西部本社、長崎ケーブルメディア、エフエム長崎 |
| 協力 | 山下清作品管理事務所 |
| 企画協力 | ステップ・イースト |