会期 |
2021年08月06日(金) ~ 2022年01月23日(日) |
開館時間 | 10:00~18:00※最終入場は17:30 |
休館日 | 第2・4月曜日(祝日の場合は翌日)、12/29-1/1 |
会場 | 常設展示室 第1室 |
戦後の長崎で詩情豊かな作品を描いた洋画家・池野清(1913-1960)の回顧展を開催します。
戦前から独立展と地元の美術展で作品を発表していた池野は、1945年8月9日の原爆投下後、爆心地付近に入り被爆。戦後は、後遺障害と闘いながら独立展会友として静物や人物を題材に制作を続け、長崎の美術振興にも貢献しますが、1960年に47才で世を去りました。
池野の没後、友人であった長崎市出身の作家・佐多稲子(1904-1998)は、長編小説『樹影』(講談社、1972年刊)などに池野をモデルとした主要人物を登場させ、その生と死を、理不尽な暴力への静かな怒りと哀惜を込めて描写しました。そこには、フォルムと色彩を極限までそぎ落とした遺作《木立》と《樹骨》(いずれも第28回独立展出品)も象徴的に登場します。こうして池野の存在は一部でよく知られることになりますが、その生涯や画業の全貌はつまびらかではなく、所在が確認されている作品も多くありません。
長崎県美術館では、開館以来、池野の小規模な展示を二度(2013年と2016年)行い、調査研究を進めながら収集を重ねてきました。本展は、その成果として開催するもので、約30点の油彩やドローイングによって画業の一端を明らかにしようとする試みです。
※当初2021年11月7日(日)までとしていた会期を、2022年1月23日(日)までに延長いたします。
■担当学芸員による作品解説動画