長崎の美術6 田川憲
概要
会期 | 2018年01月27日(土) ~ 2018年04月08日(日) |
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休館日 | 2月13日(火)、26日(月)、3月12日(月) |
開館時間 | 10:00~20:00(入場は19:30まで) |
会場 | 常設展示室 第1・2室 |
長崎における創作版画のパイオニア
田川憲(1906-67)は、戦前・戦後を通じて長崎で活躍した木版画家です。長崎市に生まれ長崎商業学校に学びますが絵画や詩への興味やみがたく、10代後半には仲間たちと同人活動を始めます。大正末期には長崎を訪れた詩人・金子光晴との出会いによって詩への造詣を深め、昭和初期に画家を志して上京すると今度はそこで木版画家・恩地孝四郎の知己を得て自画・自刻・自摺を信条とする創作版画に開眼します。そして帰郷後に詩と版画の同人を主宰し、自身の創作はもとより創作版画誌の刊行や版画講習会の開催などを通して長崎における創作版画の草分けとなりました。
戦中は従軍画家として中国に渡り、上海で創作版画の会を創設して個人誌を発刊するといった活動を行っています。終戦後は五島などに滞在したのち1949年に長崎に帰郷。以後は同地を拠点として生涯にわたり洋館や唐寺のある異国情趣を湛えた長崎の風景を描き続けました。
田川は戦後、洋館および居留地の景観保存の提唱者でしたが、その願いをよそに多くの洋館が失われました。そこである時点からは失われゆく居留地の姿を「版画として残す」ことを使命として自らに課すことになります。そのため特に晩年の風景作品には、古き良き時代の長崎への哀惜を色濃く反映したものが見いだされます。
田川の歿後50年を記念して開催する本展では、当館の収蔵作品に個人蔵の貴重な作品・資料を加えて展観します。戦前に刊行された版画集や戦後まもなく手がけられた文学を着想源とする版画集の構想、詩集の装幀など、これまで展示される機会の少なかった仕事も合わせて紹介し、その多彩な魅力に迫ります。
作品紹介
- 《東山手12番》1951年 長崎県美術館
- 《西洋骨董店にて》1956年 長崎県美術館
- 《あはれあはれ》1958年 長崎県美術館
- 《旧カルノー商会うら》 1959年 長崎県美術館
- 《唐寺福字門》1960年 長崎県美術館
- 《うらぶれた居留地》1965年 長崎県美術館
- 《人間の丘(続Ⅱ)》1964年 長崎市
- 《おくんち》1955年 長崎市
基本情報
観覧料
一般 | 400(320)円 |
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大学生・70歳以上 | 300(240)円 |
小中高生 | 200(160)円 |
・1/29、2/5、2/12、2/19、3/5(いずれも月曜日)は3割引き。
・県内在住の小中学生無料。
・( )内は15名以上の団体割引料金。
・学校行事の一環として、県内の小・中・高・特別支援学校生が利用する場合は、引率の教員を含め、無料。
・障害者手帳保持者及び介護者1名は無料。
・「長崎県名誉県民 松尾敏男展」「東京富士美術館所蔵 大江戸展」のチケットでも観覧できます(会期中に限る)。
主催等
主催 | 長崎県、長崎県美術館 |
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後援 | 長崎市、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会、長崎県立長崎図書館、長崎市立図書館、長崎新聞社、西日本新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞西部本社、NHK長崎放送局、NBC長崎放送、KTNテレビ長崎、NCC長崎文化放送、NIB長崎国際テレビ、長崎ケーブルメディア、エフエム長崎 |
助成 | 公益財団法人ポーラ美術振興財団 |