館長あいさつ
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長崎県美術館館長
小坂 智子SATOKO KOSAKA
長崎県美術館は「呼吸する美術館」をコンセプトに2005年4月に開館しました。以来、長崎県における新しい文化芸術活動の拠点として活動に取り組んでいます。長崎ゆかりの美術や須磨コレクションを基礎としたスペイン美術を収蔵し、優れた芸術作品の鑑賞及び学習の機会を提供するために様々な展覧会を開催してまいりました。また、豊かな感性と想像力を育むため、教育活動にも力を注ぎ、特色あるプログラムを展開しています。
「呼吸する美術館」は、生き物が呼吸をするように、美術館の外にあるさまざまな情報や刺激を吸い込み、それを新しい形の刺激として再び外に放出しながら周囲の人や環境とともに成長を続けてゆくことを意味します。優れた美術作品を収蔵し、調査・研究により得られた知見を基に、後世へと継承する作業は、美術館の基本であり、同時に、優れた美術作品の鑑賞の機会を通して、創造する力を引き出し、多様な価値観を発見することのできる美術の魅力を伝えていく発信する力を持つことも重要です。美術館は、美術を通して、多様な価値を認め、共存させながら、それぞれの理解を促す場です。
生き物が「呼吸」するように、生き生きとした活動の往還を通して、発信力をもった魅力ある環境を醸成し、継承・交流・創造を軸に、県民に開かれた文化活動の拠点を形成していきます。