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長崎県美術館

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須磨彌吉郎の肖像 ( 1941年)

Portrait of Yakichiro Suma 作品詳細

ダニエル・バスケス・ディアス Daniel VÁZQUEZ DÍAZ
作品解説
© Daniel Vázquez Díaz VEGAP Madrid & JASPAR Tokyo, 2022 G2900 須磨彌吉郎(1892-1970年)は、1941年から46年まで特命全権公使としてスペインのマドリードに赴任し、その期間中に1760点を数える美術品を収集した。現在、そのうち500点が長崎県美術館に収蔵され、当館のスペイン美術コレクションの礎となっている。なかでもこのバスケス・ディアスによる須磨本人の肖像画は、記念碑的な作品と言える。
バスケス・ディアスは当時のマドリード画壇の中心的存在で、須磨がソラーナ(Nos.25,26)と並び最も高く評価した存命中の画家の一人であった。本肖像が1941年に描かれた経緯は不詳だが、当代きっての肖像画家として評判の高かったバスケス・ディアスに、赴任して間もない須磨が注文して描かせたものと推測される。二人は須磨が帰国するまで深い親交を結んだことが知られる。
須磨は藍色の袴に草履を履いて腰かけ、右手に持った日本刀をしげしげと眺めている。背後には金屏風が置かれ、奥の暗い背景と対比を成すが、色調は全体としては落ち着いたトーンで調和している。バスケス・ディアス自身、「セザンヌの絵画の手法とブールデルの立体感覚から私の肖像画は生まれた」と語るように、フォルムを単純な幾何学的形態の統合として捉える点や古典的な構図感はセザンヌに、骨太で彫刻的な人体の把握は彫刻家であるブールデルの芸術にそれぞれ負っている。こうした堅固な造形のうえに、須磨の行動的で覇気に満ちた性格までもが活き活きと表現されている点は、バスケス・ディアスの肖像画家としての実力を存分に示すものであろう。
画面右下におかれた書物には、須磨の名と「Donde está Japon(日本はいずこに)」というスペイン語の題が読める。これは須磨が日本の外交問題を論じ英語で出版した書「Where Japan Stands」(1940年)の西訳本である。本肖像画制作時にはその出版の準備が進んでいたと考えられ、1942年に本肖像画を表紙絵として出版された。

 
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