長崎ゆかりの美術―デザイン:中山文孝
概要
中山文孝《長崎港の図》1934年 長崎県美術館蔵
会期 |
2018年07月28日(土) ~ 2018年09月24日(月・振) |
開館時間 | 10:00~20:00(入場は19:30まで) |
休館日 | 8月27日(月)、9月10日(月) |
会場 | 常設展示室 第2室 |
中山文孝は、1888(明治21)年に長崎市袋町(現在・栄町)で生まれました。五島中学校を卒業後の1907(明治40)年に長崎市に戻り、父が開業した「中山美六堂」の経営を譲り受けて、扇子やうちわなどのデザインに携わりました。早くから日本画の技術を身につけており、その経緯は定かでないもののほぼ独学だったと考えられます。1933(昭和8)年、長崎県内で開催された国際産業観光博覧会のポスター公募で、一等と佳作を受賞したのを転機として、今で言うグラフィックデザイナーとしての道に本格的に入ります。1937(昭和12)年には、1940(昭和15)年に東京で開催されるはずであった万国博覧会のポスター公募で一等と三等を受賞。また、1951(昭和26)年の日本宣伝美術会の結成の際は、九州地区のデザイナーを束ねる重要な役割を果たしました。いっぽうで観光ポスターや、企業の広告物や包装紙、長崎くんちの傘鉾や長崎ハタの写生・記録など、地域に根差した仕事に終生取り組みました。
当館では、中山の出世作となった国際産業観光博覧会ポスターとほぼ同時期に、同じテーマで描かれた日本画《長崎港の図》を所蔵しています。中山の原点ととらえることもできる本作品を中心に、ポスターや包装紙等の貴重な原画、デザインスケッチや写生の一部も併せて展示し、中山文孝の生涯と作品をご紹介します。
中山文孝(なかやま よしたか:1888-1969)
1888(明治21)年、長崎市袋町(現・栄町)に生まれる。1907(明治40)年、長崎県立五島中学校卒業。日本画を独学し、萩原魚仙、福田平八郎、小林観爾そのほか多くの日本画家との交友があった。1933(昭和8)年、国際産業観光博覧会ポスターで一等と佳作を受賞。1937年(昭和12)年、紀元二千六百年記念日本万国博覧会ポスターで一等と三等を受賞。この頃より、全九州産業美術連盟の事務所を自身の住所に置くなど、九州のデザイナーの職能団体において主導的な役割を果たす。1951(昭和26)年、日本宣伝美術会創立委員として、九州管内をまとめる。長崎ハタの模様、長崎くんちポスター、くんち傘鉾図が良く知られる。また、県・市展審査員、長崎国際文化協会理事などを歴任。長崎県功労表彰、日本宣伝美術会功労賞、長崎新聞文化章を受賞。1969(昭和44)年没。
作品紹介
- 《国際産業観光博覧会ポスター》1934年、株式会社乃村工藝社蔵
- 《日本万国博覧会ポスター下絵》1937年、個人蔵
- 《ながさきみなとまつりポスター》1959年、個人蔵
- 《くんちポスター》 長崎歴史文化博物館蔵
基本情報
観覧料
一般 | 400円(320円) |
大学生・70歳以上 | 300円(240円) |
小中高生 | 200円(160円) |
・コレクション展(全5室)全体の料金です。
・( )内は15名以上の団体割引料金。
・県内在住の小中学生、障害者手帳保持者及び介護者1名は無料。
・学校行事の一環として、県内の小・中・高・特別支援学校生が利用する場合は、引率の教員を含め、無料。
・「魔法の美術館:リミックス」のチケットでも観覧できます(会期中に限る)。