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長崎県美術館

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金さんと赤 ( 1908(明治41)年)

Kin-san and his Horse Aka 出品履歴

渡辺 [宮崎] 与平 Yohei WATANABE (MIYASAKI)
作品解説
  1907(明治40)年の秋頃から脚気と肋膜炎を患うようになった与平は、療養のため帰省した。長崎ではスケッチに出掛けたり、コマ絵を描いたりしていたようであるが、洋画家への夢を捨てきれず、約1年間の療養を経て、1908(明治41)年に再び上京する。本作品は再上京して間もない与平が文展に出品するために制作したもので、第2回文展で初入選を果たした記念碑的作品である。
妻で洋画家のふみ子によると、与平は和田三造の《南風》(1907年、東京国立近代美術館)を見て、「自分もあれに負けない絵を描きたい」と言っていたという。労働者の姿を描くことを切望していた与平は、中村不折から学んだ確かなデッサン力を基礎に、馬方と馬に焦点を当て、力強く表した。
馬方とは荷馬を引いて荷物を運ぶ者で、本作の舞台となった隅田川沿いでも荷馬を引く馬方の姿がしばしば見かけられたという。馬方の「金さん」と荷馬の「赤」は帰路に着く途中だろうか。夕暮れ時のゆったりとした時間が画面に流れている。
筆触分割法に基づく点描風の筆致を用いて、茜色に染まりつつある空と漁船が走る水面を、明度を下げることなく描いている。印象主義への興味を伺わせる野心作である。
Exhibited at the 2nd Bunten
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 107.5×150.3cm
コレクション名  
備考 第2回文展出品作
額寸:113.0x156.5x7.5cm
関連収蔵資料
図書 渡辺与平展
資料

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