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長崎県美術館

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聖アンデレ ( 15世紀中頃)

Saint Andrew 出品履歴

作者不詳 (スペイン) Unknown (Spanish)
作品解説
  この2枚の聖人像は、どちらも半身像でほぼ同寸、そして同じ金地背景の文様を持つ。事実、両者ともカスティーリャ地方のビリャロボスという小邑にあるサン・フェリクス聖堂の祭壇衝立のプレデッラ(祭壇の下の部分を帯状に飾る小画面:裾絵)の一部を成していたものである。
聖ユダは、聖タダイとも呼ばれ、キリストの昇天後、エデッサやペルシアなどに福音を伝えたとされる人物で、キリストを裏切ったイスカリオテのユダとは別人である。その図像にはさまざまなバリエーションがあり、のこぎりをアトリビュート(持物)とすることもあるが、ここでは大きな巻紙を手にし、そこに「SAN IUDA(聖ユダ)」と名が記されている。
聖アンデレは元はガリラヤ湖の漁師で、兄弟の聖ペテロと共に十二使徒のうちに数えられる。アンデレが殉教した際の十字架の形については特に知られていないものの、14世紀以降、本作に見るようなX字型の十字架がアンデレの十字架として定着した。
両作品は、15世紀半ばにレオンを中心に活躍したニコラス・フランセスという画家の周辺に帰属されている。フランセスはその名が示すようにフランスないしフランドル出身の国際ゴシック様式の画家であった。本作ではフランセスがもたらした繊細で優美な国際ゴシックの特徴が、荘重さと力強さを備えた地方様式に還元されている。北方の影響を独自に消化することで作り上げられたスペイン・ゴシック美術の一つの典型的な作例ということが出来るだろう。  
 
作品詳細
素材・技法 テンペラ、油彩・板
素材・技法(英文) Tempera and oil on panel
サイズ 66.5×38.7cm
コレクション名 須磨コレクション
備考 須磨No.259
関連収蔵資料
図書
資料

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