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長崎県美術館

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聖アンナ、聖ヨアキム、洗礼者聖ヨハネのいる聖母子 ( 1646-55年頃)

Holy Family with St Anne, St Joachim, and St John the Baptist 出品履歴

フアン・カレーニョ・デ・ミランダ(1614年~1685年) Juan CARREÑO DE MIRANDA
作品解説
  深緑のカーテンのかかる室内に、幼子イエス・キリストとその家族・親類が表された聖家族図である。イエスは洗礼者聖ヨハネに祝福を施し、ヨハネはイエスの足に恭順の口づけをしている。その二人を聖母マリアは自らの懐に優しく抱き寄せ、両脇でマリアの両親であるアンナとヨアキム――T字型の杖を持つ――が見守る。頭上には二人のプット―が花輪をかざし、画面に文字通り「華」を添えている。
本作は、17世紀後半のスペイン絵画を代表する画家、カレーニョ・デ・ミランダの初期作品である。彼はフェリペ4世の宮廷画家として活躍したが、本作は画家が宮廷入りする前の作品と考えられる。簡潔で奥行のない舞台設定は、17世紀前半までのスペイン絵画の伝統を色濃く反映する一方、モニュメンタルな人物像やとりわけ聖母マリアの顔のタイプには、世紀中半からマドリード画壇に浸透し始めたルーベンスやヴァン・ダイクら、17世紀フランドル絵画の影響が消化されている。鮮やかな発色でありながら優雅に調和した色彩は、とりわけヴァン・ダイクを想起させよう。こうした特徴は《聖カタリナの神秘の結婚》(1553年頃、第三会施療院、マドリード)など、同じ時期のカレーニョの作品に頻繁に認められ、本作の編年の根拠となっている。静的で厳格な世紀前半の様式から豊饒でダイナミックな盛期バロック様式へと移行しつつあった、17世紀中半のマドリード画壇の動向自体をよく反映した秀作ということが出来よう。
 
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 190.4×121.6cm
コレクション名  
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