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長崎県美術館

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木立 ( 1960(昭和35)年)

Trees 出品履歴

池野清 Kiyoshi IKENO
作品解説
  本作品は、戦後長崎の洋画家、池野清の代表作であり、佐多稲子の長崎を舞台とした短編「色のない画」、そして、それを展開させた小説『樹影』に象徴的に登場する作品である。
 池野は、原爆投下直後に爆心地付近に入り、友人らの捜索に当たったことから、戦後、被爆の後遺障害に苦しみ、また死の恐怖と向き合いながら活動を続けていた。当時の長崎は、中央画壇の洋画家たちが多数来崎し、異国情緒あふれる旧居留地をモチーフに豊かな色彩の風景画を描いていたが、そうした動きを横目で見ながら、長崎の地で独自の絵画世界を築き上げていった。その作品は、原爆やその被害を直接に表現するものではなく、沈殿していくかのような静謐な作者の心情を表したもので、次第に色を失い、人物や静物のモチーフについても単純な要素に還元されていった。
 本作品は、そうした池野の戦後作品の流れを象徴するもののひとつであり、歿後に独立展に出品され、代表作として知られていたものである。

展覧会歴
・昭和35年(1960)遺作《樹骨》(長崎県美術館蔵)とともに第28回独立展に入選

掲載文献
・『池野清画集』(池野清画集刊行会、1961年)に掲載
・佐多稲子「色のない画」(『新日本文学』1961年3月号)
・『樹影』(1972年、講談社)  
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 116.7×90.8 cm
コレクション名  
備考  
関連収蔵資料
図書
資料

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