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長崎県美術館

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埋葬 ( 1949年)

Entombment 出品履歴

アントニ・クラベ Antoni CLAVÉ
作品解説
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 G3258 1949年から翌年にかけてパリのマルサン館で開催された「現代の絵画展」に出品された作品。また、1952年4月に発行された『みづゑ』第560号の紙面に早くも写真が掲載され、日本に紹介されている。
 1941年にモンパルナスにアトリエを構え本格的に作家としての活動を開始したクラベは、当初ボナールに惹かれその影響を多分に残した作品を制作していた。しかし、やがて彼の関心はルオーやスーチンへと移り、その後1944年にそのアトリエを訪ね交友を結んだピカソから画家として決定的な影響を受けることになる。本作品が描かれた1940年代末から50年代初頭に描かれたクラベの作品には、特に版画において1930年代以降のピカソの作品からの影響が顕著である。本作品も同様にその影響下にある作品であると見做すことは可能だろう。しかし一方で、硬直した細長い人体のプロポーションやその配置は中世の壁画や円柱人像を、あるいは分割された色面の形状はステンドグラスのそれをどこか髣髴とさせ、この時期にクラベが行っていた中世美術の研究の跡を認めることも可能かもしれない。
 描かれているのは処刑されたキリストをゴルゴダの丘の麓の墓に埋葬しようとする場面。人物の特定は困難だが、人体が形成する堅牢なグリッドは画面の平面性を強調し、余白にあたる部分を主要モティーフを避けながら最後に塗り潰す手法はコラージュのような効果を生んでいる。後にコラージュを多用しながら物質と絵画イメージとの関係を探求することになるクラベの仕事を先取りするかのような本作品は、スタイル確立前の過渡期における彼の試行錯誤を雄弁に物語る傑作と言えるだろう。
 
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 185×224.6 cm
コレクション名  
備考  
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