このページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして下さい。

長崎県美術館

所蔵品検索

作品検索

作品詳細

バルバラ・デ・ブラガンサ ( 1750年頃(?))

Bárbara of Braganza 出品履歴

ルイ=ミシェル・ヴァン・ローと工房 Louis-Michel van LOO and his Workshop
作品解説
  この対幅は、18世紀中葉のスペイン国王、フェルナンド6世(在位:1746-59年)とその妃バルバラ・デ・ブラガンサの肖像画である。両者とも青空の広がる戸外風景を背景に表され、国王は右手に持った王の笏を前方につきだして立ち、一方王妃は石の玉座に腰かけている。
作者は、画面下部の書き込みから新古典主義を代表するドイツ人画家アントン・ラファエル・メングスと考えられてきたが、近年の研究により、スペイン国王フェリペ5世およびフェルナンド6世の元で宮廷画家を務めたルイ=ミシェル・ヴァン・ローの名が浮上した。マドリードの王宮に、ヴァン・ローによるほぼ同一の構図、サイズの両者の肖像画が所蔵されているのである。長崎作品はマドリードの作品よりも様式がわずかに平板で、顔の表情も個性的風貌が薄められており、レプリカと考えられる。しかし、ディテールの緻密な表現や純度の高い色彩、堅固な画面構成などを見るにその質は高く、ヴァン・ロー本人がそれなりに関わって彼の工房で制作されたものであろう。メングスは、フェルナンド6世の次代、カルロス3世の招きでスペインに渡ったのであり、先代の国王夫妻の肖像画、ましてや別の画家のレプリカを手掛けたとは考えにくく、署名はより高名な画家メングスの作品として通用させるために後代に付け加えられたものと想定される。作者の帰属が変わろうとも、日本で見られる18世紀西欧の宮廷肖像の対幅として貴重な作例であることに変わりはない。
 
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 102.9×83.8cm
コレクション名  
備考  
関連収蔵資料
図書
資料

前のページへ戻る