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長崎県美術館

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開く /Iriki ( 1972年)

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エドゥアルド・チリーダ Eduardo CHILLIDA
作品解説
© Zabalaga-Leku, JASPAR, Tokyo, 2021 G2565 パリのマーグ出版より限定50部(ほか非売分7部、作家保管分9部)で発行された銅版画。同年にドイツのウルム美術館で開催された「エドゥアルド・チリーダ版画作品1959-1972 エッチング、木版、リトグラフ」展に同イメージのものが出品されている。
 1959年に初のエッチングを制作して以降、チリーダは彫刻と並行して数多くの版画を手がけている。技法も木版、エッチング、ドライポイント、リトグラフ、シルクスクリーンと多様であり、作家にとって版画は常に主要なメディアの一つでありつづけた。
 本作品においてユニークなのは「イメージの輪郭=プレートマーク」となるよう銅板がカットされ、エッチングとエンボッシング(空押し)とが併用されていることである。この手法は1960年代の半ばから散見されるが、特に1970年前後から頻出する。チリーダの彫刻がまさに彼の作品らしくなるのは1960年代から1970年代にかけて。版画が示す形態的な展開と彫刻のそれとの関連性を見るとき、彼の紛れもない代表作、故郷サン・セバスティアンの海岸沿いの岩場に設置された《風の櫛XV》(1977年完成)の制作が本作品と同じ1972年に開始されていることは興味深い。
 通常であればニュートラルな存在となるはずの版外のマージン(余白)が版によりかたちづくられるイメージの中に貫入し、余白とイメージとが相互に干渉し合っている本作品の画面。ここで起こっていることは単なる地と図の相対化に止まらない。ここには物質としての銅板と紙とのダイナミックな相互作用が痕跡として残されている。版によるイメージは紙との間の生な関係性に晒され、そのどちらもそれのみでは存在できない等価なものとして全体で一つの画面をかたちづくっているのだ。空間を素材として作品に取り込みつつ「空間」の概念そのものを提示しようとしたチリーダ芸術の精髄をここに見ることができるだろう。   
作品詳細
素材・技法 エッチング・紙
素材・技法(英文) Etching on paper
サイズ 58.5×63cm; 33.8×33cm(プレートサイズ)
コレクション名  
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