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長崎県美術館

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作品詳細

( 1911(明治44)年)

Obi, Japanese Sash 出品履歴

渡辺 [宮崎] 与平 Yohei WATANABE (MIYASAKI)
作品解説
  縦縞の着物を身につけた女性の、つま先に重心をかけ、両手で帯を締める姿が縦長の画面に描かれている。身支度しているところだろう。鏡台の引き出しは開いたままで、鏡の前には櫛が置かれている。モデルとなった渡辺ふみ子(後の亀高文子)も洋画家で、ふたりは太平洋画会研究所で出会い、1909(明治42)年の春に結婚している。本作品以外に第4回文展で三等賞を受賞した《ネルのきもの》(1910年、泉屋博古館分館)も彼女を描いたものだ。
第5回文展での入選時、高村光太郎に「油絵具で日本画を画くという特別の抱負がある人であるまいか」と評されたように、絵の具を重ねずに薄く塗ることによって、日本画のような平坦な質感に仕上げている。京都市立美術工芸学校で4年間日本画を学んだ与平が新しい試みとして取り入れた手法である。日本画のような質感は、色面で構成された奥行きのない画面、そして全体に青みを帯びた色彩と相まって、フレスコ画を想起させる。と同時に、本作の画風は、すでに日本でも紹介されていたフランスの画家ピュヴィス・ド・シャヴァンヌにも近似しているといえよう。壁にかけられた襦袢の花模様、長く垂らされた帯の竹の葉模様が、装飾性を加味している。
本作品は、与平が平面性と装飾性を強め、新たな作風へと向かいつつあったことを示している。しかし、この頃すでに体調を崩していた与平にとって、これが最後の文展出品作となった。
Exhibited at the 5th Bunten. Donated by NAGAMI Tokutaro
作品詳細
素材・技法 油彩・カンヴァス
素材・技法(英文) Oil on canvas
サイズ 151.7×91cm
コレクション名  
備考 第5回文展入選作品
永見徳太郎氏寄贈
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図書
資料

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