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身体のコンポジション /Composició amb cos ( 2003年)
Composition with Body 出品履歴>
アントニ・タピエス Antoni TÀPIES
作品解説 | |
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2枚のパネルを横に繋いだディプティック(二幅対)形式の大作。パネル同士を繋ぐのは5本の棒である。この形式にふさわしく、描かれているのは宗教主題、キリストの受難である。 画面の両端には、カーテンのように本物の白い布がドレープを持たせて張られている。その間に漆喰壁のような質感のベージュの地が覗く。そこに黒い線で描かれているのは、横たわった男性裸体像、すなわち十字架から降ろされたキリストの遺骸にほかならない。白い布は、キリストの遺骸を包む経帷子そのものであり、そこに打ち込まれた釘もまた磔刑を暗示している。2枚のパネルの繋ぎ目に、日本の書のようなストロークで表された黒い形象は十字架と思われる。そしてパネルを繋ぐ5本の棒は、梯子(キリストを十字架に上げたり降ろしたりする際に使われたことから受難具のひとつとされる)を暗示していると考えられる。 両手を左腿の前で重ね合わせた形で首を深く折り曲げ、静かに横たわるキリストの身体は、黒い描線と、地を抉った痕で表現されている。板が露出するまで傷つけられた地は、見る者に身体的な苦痛を呼び覚ます。ここで白い布は、経帷子であると同時に、隠されていたものを顕現させる機能を持つ。画家は、キリストの傷つけられた身体を、その受難と苦痛を、私たち見る者に差し出して見せるのである。 |
作品詳細 | |
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素材・技法 | ミクストメディア、アサンブラージュ・板 |
素材・技法(英文) | Mixed media and assamblage on panel |
サイズ | 210×448cm |
コレクション名 | |
備考 |
・出品歴 「Tàpies」展(2003年 Galería Soledad Lorenzo, Madrid)出品 「Tàpies in Perspective」展(2004年 バルセロナ現代美術館)出品 ・文献 『Tàpies in Perspective』(2004年 バルセロナ現代美術館)pp.470-471 掲載 |
関連収蔵資料 | |
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図書 | |
資料 |