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ベトナムの空No.1 ( 1968-80年代前半)

Sky of Vietnam No.1 出品履歴

菊畑茂久馬 Mokuma KIKUHATA
作品解説
  菊畑は、主に1960年代の終盤から1970年代の中盤にかけ夥しい数のオブジェを制作している。この時期、菊畑は本格的な新作発表を行うことなく、中央の美術界に距離を置きながら自己の表現の根拠を模索していた。生み出されたオブジェの数は200点以上にも上ると言われており、うち、現存しているものは100点弱。そのほとんどが発表を前提にせず制作されたものである。最も早い時期に制作された本作品は、オブジェ単体として初めて例外的に公開されたもの。美術評論家・針生一郎の企画により開催された「反戦と解放展」(1968年8月、於・日本画廊)に出品された。同年に発表された他の一点を除き、以後、北九州市立美術館で開催された回顧展「菊畑茂久馬展」(1988年)までオブジェが公式に発表されることはなかった。
 本作品の側面に貼られた真鍮のプレートには、『週刊朝日』(1968年)に掲載された米国防省発表のベトナム戦争に関する戦況データが彫り込まれている。声高に反戦を唱える類のものではないものの、菊畑には非常に珍しく社会的なメッセージを持つ作品。多量の爆弾と枯葉剤がばらまかれたベトナムの空、そして戦争という事実の重苦しさそのものを伝えている。
 なお、本作品は当初、鉄板で青色のビニル・レザーを挟み込む構造であったが、ビニル・レザーが劣化したため、その部分は後年コンクリートボンドで塗り固められ油絵具で着彩されている。
 
作品詳細
素材・技法 鉄、真鍮、合成接着剤、油彩
素材・技法(英文) iron, brass, adhesive, oil
サイズ 17.7×17.7×17.7cm
コレクション名  
備考  
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