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長崎県美術館

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( 1963(昭和38)年)

Ho (Square) 出品履歴

山口長男 Takeo YAMAGUCHI
作品解説
  本作品では、黒い地色の上に黄土色の矩形の色面が伸びやかに拡がっている。重なり合っている黄土色の色面は、それぞれ少しずつ角度を変えて歪んでいる。それらは、重厚ゆえに安定感があるが、一方で画面上を浮遊しているようにも見える。さらに、ペインティングナイフによる塗り重ねの痕跡が、画面に一段と動感を加えている。本作品は一見して無機質な抽象絵画を思わせるが、無味乾燥さはなく、色面の歪みや絵具の痕跡から、有機的な印象を受ける。
本作品のように色彩を黒色と黄土色、あるいは赤茶色の二色に限定した作品は、1953年以降頻繁にみられる。当初の作品では、黄土色または赤茶色をした細長い帯状の色面が格子状に構成されていたが、1958年以降、その色面が幅の広い矩形へと変容して重なり合うようになる。この色面は、制作年を経るごとに拡張を続け、最終的に画面全体を覆いつくすまでに至る。画面全体を覆った色面からは、形という要素がほとんど消え、絵具の物質感という要素のみが顕わになっている。こうした一連の展開からは、塗り重ねるという行為、つまり作品を作りだすという行為を重視していた山口の一貫した制作姿勢がうかがえる。色面が形としての要素を持ち合わせながら、明瞭なまでに物質としての痕跡を残した本作品は、一連の山口の作品の中で、成熟を迎える時期のものであるといえる。
Exhibited at the Bienal Internacional de São Paulo'63
作品詳細
素材・技法 油彩・板
素材・技法(英文) Oil on panel
サイズ 182×182cm
コレクション名  
備考 1963年 第7回サンパウロ・ビエンナーレ出品作
関連収蔵資料
図書
資料

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