作家検索
作家詳細
アントニ・タピエス / タピエス (1923~2012年)
Antoni TÀPIES
作家解説
カタルーニャ地方のバルセロナに生まれる。少年期に独学で絵を描き始め、大学で法律を学ぶが絵画に専念するために中退。やがて紙や紐、新聞紙などを用いたコラージュを試み、1948年、シュルレアリストの批評家や画家たちと「ダウ・アル・セット(サイコロの第7の目)」を結成。1950年には奨学金を得てパリに赴き、新しい美術の動向「アンフォルメル(不定形)」と出会う。大戦の記憶を下敷きに、暴力的な荒々しいタッチや生々しい質感によって人間の生の本質を抉り出そうとするアンフォルメルは、「再現としての絵画」ではなく「物質としての絵画」という絵画の新しいあり方を提示していた。これに多大な影響を受けたタピエスは以後、大理石粉などを混ぜた厚塗りの地に記号や文字を描き込んだり、引っ掻いて形象を刻みつけたり、異物を貼りつけたりすることによって独自性を獲得してゆく。廃屋の壁を思わせるその作品は、スペイン内戦(1936-39年)とそれに続くフランコの圧政(1939-75年)によるカタルーニャの苦痛の記憶を孕んでなお寡黙に、物体(モノ)としての圧倒的な存在感を放っている。なお、青年期に岡倉天心の『茶の本』と出会って以来、日本文化、特に禅への造詣を深め、1975年には詩人の瀧口修造と詩画集『物質のまなざし』を共作している。
作品一覧
サムネイルをクリックすると、詳細情報を表示します。
茶の上の黄土
(1964年)
Ochre on Brown アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:ミクストメディア・カンヴァス |
物質のまなざし
(1975 (昭和50)年)
Mterial Glance 瀧口修造/アントニ・タピエス Shuzo TAKIGUCHI / Antoni TÀPIES 素材・技法:リトグラフ・紙 |
化石の中の化石
(1978年)
アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:エッチング・挿絵本 |
綱と十字の刻印
(1981年)
An Impression of a Cord and a Cross アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:陶・土他 |
アンフォルメル
(1987年)
アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:エッチング・ガロ紙 |
ガット
(1998年)
Gatt アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:エッチング・ガロ紙 |
身体のコンポジション/Composició amb cos
(2003年)
Composition with Body アントニ・タピエス Antoni TÀPIES 素材・技法:ミクストメディア、アサンブラージュ・板 |